APU(補助動力装置)とは

 

概要

APU とは Auxiliary Power Unit の略で日本語に翻訳すると補助動力装置といいます。旅客機の場合機体後部(おしり)についていることがほとんどで、たいていの場合、一番後ろに銀色の筒状の排気口があります。

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B767 APU排気口があるのがわかる

APUの構造

エンジン部分である動力部、メインエンジンの作動やエアコンなどに使用する圧縮空気を作る負荷圧縮機、発電機に接続するためのギアボックスの3つから構成されています。ほとんどの場合小型のガスタービン(飛行機のメインエンジンと同じ構造のもの)が使われています。

 

APUの3つの用途

  • メインエンジンを始動させる
  • エンジン停止時の電力供給
  • メインエンジンのバックアップ
 メインエンジンを始動させる

旅客機の大きなエンジンはあまりにも大きいため自動車のようにセルモーターでは始動できません。よってAPUから圧縮空気を送ってもらうことでタービンを回してエンジンを始動させています。

エンジン停止時の電力供給

通常飛行機は駐機中メインエンジンは動いておらず、駐機中飛行機はAPUもしくは地上から電力を得ています。飛行機に搭乗したとき機体後方から「ウィーン」と音がしているのもAPUが作動しているからです。通常APUは駐機中ずっと作動していますが、JALなど一部の航空会社ではできるだけ地上電源を使い、APU作動を遅らせることで二酸化炭素排出を抑えようと努力しています。

メインエンジンのバックアップ

飛行中何らかの原因でエンジンが止まってしまったときAPUを作動させることで飛行に必要な電力を生み出すことができます。また一度停止させたエンジンもAPUから再度圧縮空気を送ることでもう一度動かすことができます。USエアウェイズ1549便不時着水事故(ハドソン川の軌跡)の時も機長は両エンジン停止後すぐにAPUを起動させ対応することで日会を軽減させました。

 

まとめ

普段あまり注目されることのないばかりか、騒音だったり心綺楼であったりといったことから飛行機の不安要素ともなりうるAPUですが、実際は様々な用途で縁の下の力持ちとして活躍しています。飛行機のAPU排気口は部位によってさまざまだし、いろいろな形があるので今度飛行機を見るときに注目してみてはいかがでしょうか。

 

参考文献

補助動力装置 - Wikipedia

駐機中の取り組み | JAL企業サイト

ANA.Japan - 【Captain'sトリビア ~APU(補助動力装置)について~】... | Facebook

http:// https://news.mynavi.jp/article/aero_tech-16